投資を始めたくて、投資の勉強をしている。つみたてNISAや投資信託が始めやすいと知り、投資先を探す中で、「米国株」と「全世界株」が良いのではないかとの結論に至った。だが、そこから進めない。将来的な利益を出すならどっちが良いのか、自分はどっちに投資をしたらいいのか選べない。
これは私が実際に友人から相談された内容なの。そして「米国株」がいいのか「全世界株」がいいのかは、悩むわよね〜!
私の考え、結論を言うと、どっちにも投資しちゃおう!と思っているのですが、もしどちらか一方となると、米国株の「S&P500」を選択すると思うわ。
この記事では、「米国株」か「全世界株」か迷った際の投資判断の基準をお伝えしていこうと思います。
- 「米国株」か「全世界株」か、どっちを選べばいいか分かる
- 米国株派の主張が分かる
- 全世界株派の主張が分かる
Contents
米国株派の主張
私の周りの投資家の方々は「米国株派」の人が多いわ。ではなぜ米国株を選ぶべきなのか。米国株派の主張はコチラ↓
- アメリカはこれからも世界経済を牽引していくし、これからもNo1.だと思うから
- 先進国で唯一人口が増加しているから
- 全世界株式の約60%は米国株で構成されており、結局米国株に投資しているのと変わらないから
- 全世界株式の中には成長が乏しい国も含まれており、わざわざそこに投資する必要はないから
世界経済を牽引しており、GDP世界トップの国だから
皆さんご存知のように、アメリカは現在世界トップの経済大国です。
米国株派は、これからもアメリカが世界経済を牽引していくと信じているの。実際、「GAFAM」といった世界にイノベーションを起こした企業はアメリカ発信であることがほとんどよね。
- Google (グーグル)
- Amazon (アマゾン)
- Facebook (フェイスブック)
- Apple (アップル)
- Microsoft (マイクロソフト)
の頭文字をとった呼び名のこと。
このような企業が多く存在しており、これからもその力は衰えることはない、と考えるのが米国株派の主張。
実際、2021年4月16日には米国株式市場は上昇し、ダウとS&P500指数が終値で最高値を更新(下記画像はS&P500)。
ITバブル崩壊やリーマンショック、コロナショックにも負けない力強さがあるのが米国経済の特徴とも言えるわ。
先進国で唯一、人口が増加している国だから
アメリカは唯一、先進国の中でも人口が増加している国。経済成長が減速するとは考えにくいというのが米国株派の主張のひとつでもあるわ。
人口が増えると、その分消費も増えるわよね。たとえば、生活するために必要な家や自動車、その他色々と。
消費か増えると、企業の売上は人口の数だけ上がる。だから、人口が増加すると言うことは、経済も潤うということなの。
全世界株式の半分以上は米国株だから
実は、全世界株式の組入銘柄のうち、半分以上は「米国株」が占めているの。
下の図は、全世界株式の指標として有名なMSCI オール・カント リー・ワールド・インデックスの投資対象先のグラフよ。
出典:eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)目論見書
グラフを見ても分かるように、全世界株式と言ってもその約6割近くが米国株なのよね。だから、全世界株式に投資すると言っても、結局米国に投資しているようなもの。と言うのが米国株派の主張なの。
成長の乏しい国に投資する必要はないから
全世界株式の中には成長が乏しい国も含まれている。ちょっとキツい言い方になってしまうけど、その様な国が組入銘柄に入っている全世界株式にわざわざ投資をしなくても良い。と言う考えよ。
さらに、全世界株式に含まれる「新興国」に投資をすると言うことは、その国の通貨リスクも背負うことになってしまう。
基軸通貨であり、安定したドルにだけ投資をしたら良くない?と言うのが米国株派の主張のひとつになっているのよ。
全世界株派の主張
では次に「全世界株派」の主張を見ていきましょう。
全世界株派の主張がコチラ↓
- アメリカがNo.1であり続ける保証はない
- 米国経済も停滞することがある
- どの国が今後成長するのか考える必要がない
- 世界全体の人口増加率は米国より高い
アメリカが今後もNo.1であり続けるとは限らない
確かに、現在の米国は最強だけど、今後も世界トップであり続けるかは誰にも分からない。
実際に、中国のGDPは2030年には米国に追いつくと予想されているわ(下記グラフ参照)。
出典:ニッセイ基礎研究所
そして、世界経済に占める新興国の割合は、2030年には50%を超えると予想されているわ。
出典:ニッセイ基礎研究所
米国経済も停滞することがある
過去を見てみても、米国より他国のパフォーマンスが高い時代が会ったのも事実。
たとえば、
- 1970年代〜1980年代:日本株のパフォーマンスが米国を上回った
- 2000年代:新興国 Brazil、Russia、India、China、South Africaの頭文字をとった「BRICS」のパフォーマンスは絶好調、その反面米国株はマイナスに
この様に、世界的に見る株式市場の「主役」は過去に何度も入れ替わっているの。
今後、世界の株式市場の「主役」はどこの国になるか分からない。
どの国が今後成長するのか考える必要がない
その点、全世界株式の指標は時価総額加重型を採用しているので、時価総額の多い企業に多く投資をし、時価総額の小さい企業に少なく投資をしてくれる。
市場の変化に合わせて、組入銘柄を自動的に入れ替えてくれるので、今後「主役」となる国を探し当てなくても良い。
実際に、1899年と2020年の全世界株式・組入国の割合を比べると、大きく変わっているのが分かるわ(下記グラフ左側が1899年、右側が2020年)。
出典:CREDIT SUISSE
Summary Edition Credit Suisse GlobalInvestment Returns Yearbook 2020
グラフをみても分かるように、1899年は英国が25%を占めていたのに対し、2020年の英国株の割合は5.1%。
今や最強と言われる米国は、1899年ではわずか15%のシェアしかなかったの。
この様に、今後どの国が市場の「主役」となるのか考えなくて良い点は全世界株式の良いところと言えるわ。
米国の人口増加率は低下している
先ほど「米国株派」の主張の際に、アメリカは先進国で唯一人口が増加している国と挙げさせていただいわ。
それは事実で間違いない。しかし人口増加率で見ると低下しているの。
下記のグラフをみてもらうと分かる通り、米国の人口は2000年から2050年の間に1.11億人増加している。しかし人口増加率(グラフ青色)は減少傾向にあるの。
それに比べ、世界全体で見る人口の増加率は高い。人口増加のほとんどがアフリカと言われているわ(人口増加の約8割)。
世界経済は人口増加に伴って成長すると考えると、全世界株式に投資しておいた方が良い。と言うのが全世界株派の主張なの。
そうね。笑
では、次の章で「米国株」と「全世界株」の過去のパフォーマンスを比較してみましょう。
過去10年で比べると米国株が圧倒的勝利
下記グラフは、過去10年間の「米国株」と「全世界株」のパフォーマンス比較よ。過去1年、3年、5年、10年で比べるとどれくらい差が出るのか。
ちなみに比較対象とした指標は以下の通りです。
- 米国株:バンガード・S&P 500 ETF (VOO)
- 全世界株式:MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス (ACWI)
出典:マイインデックスを参考にりょうこ作成
こう見るとそれほど変わらないと感じるかもしれないわね。
では例えば、それぞれのインデックスに100万円を10年間運用していたら、どれくらい差が出るかと言うと、、なんと10年間で120万円の差に!!
- 米国株(VOO):100万円が過去10年後に運用で・・373万円に
- 全世界株(MSCI ACWI):100万円が過去10年後に運用で・・253万円に
出典:マイインデックス
過去10年で見ると、圧倒的に米国が強い。
しかし何度もお話ししてきた様に、未来は誰にも予想できない。米国がこれからNo.1であり続けると言う保証もないわ。
では、どう判断したら良いのか。次の章で詳しくみていきましょう。
悩むなら全世界株、攻めた投資をしたいなら米国株
正直、どちらを選んでも間違いはないわ!なぜなら今のところどちらも文句なしの投資先だから。
どちらを選ぶかの判断基準は以下を参考にしてみてね。
- 2〜30年後もアメリカが最強!と思える人
- 攻めた投資をしたい人(リスクを取れる)
- 未来は分からない、2〜30年後もアメリカが最強と思えない人
- どっちを買おうか迷っている人
ちなみに私の場合、つみたてNISAの投資先は「米国株」と「全世界株」の2つにしているわ。上限額の2/3を米国株へ、1/3を全世界株へ。
この様に2つに投資するのもありよ。今後10年は米国株が強いと思っているから、今は米国株の比率を高くしている。もし米国の経済成長に鈍化がみられれば、その時に配分を変えればいいと思っているの。
まとめ
今回の記事では、米国株派・全世界株派の主張をそれぞれみていき、どちらに投資するべきかの判断基準をお伝えしたけれど、いかがでしたか?
最終的にどこに投資をするのかは、あなたが何を信じるか。未来は誰にも分からない。結果的にどちらのパフォーマンスが良かったのかは数十年後にならないと分からないもの。
ただ、どちらに投資をしていても20年後、30年後に資産は増えているに違いないわ。コツコツと資産を増やしていきましょう♪
この記事が投資判断の参考になれば幸いです。