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給与明細の見方は3つの項目を覚えるだけ!自分で正しく確認する方法

給与明細 見方
今月の給与がいつもより少なかったんだ!なんでなの??
りょうこ
りょうこ
あなた働いてたの?まあいいわ。給与明細にある内容を理解して確認できれば、給与の変動に慌てずにすむわ。
大事なお金なんだ!詳しく教えて!

会社員の方は、会社から毎月もらっているはずの給与明細。毎月もらっているから慣れてしまい、確認するのは口座に振り込まれる支給額くらいで、その他はあまり見ていない・・・なんて方もいるんではないでしょうか。

りょうこ
りょうこ
実は私も給与明細は支給の部分だけ見て、今月はこれだけ給与が入るのか〜で終わっていた時期あり・・・

そこで今回は以下の内容についてお話していきます。

  • 給与明細の見方
  • 給与明細について知っておくべき4点
  • 給与明細についてよくあるQ&A

この記事を読むことで、給与明細の見方が分かります。そして、給与の変動に慌てることなく、万が一間違いがあった場合も自分で気付くことができます。

給与はダイジ〜!!!

給与明細の見方は3つの項目がポイント

給与明細 見方給与明細を見るとき、以下3つの項目がポイントになります。

  1. 勤怠
  2. 支給
  3. 控除

それぞれ詳しく解説していきますが、簡単に言うと、

①どれくらい働いて
②いくら会社からお金をもらって
③いくらお金が引かれているのか

という内容が給与明細には書いてあります。

3つの項目にある勤務状況や金額をもとに、あなたが今もらっている給与が決まっているので、どれも重要な内容になっています。

一度覚えてしまえば、今後会社員である限りずっと役立つ内容なので、ぜひ参考にしてみてください。

りょうこ
りょうこ
この項目はなんだっけ?って時は、下の内容を確認してみてね。

勤怠

勤怠には、給与計算のもとになる勤務状況が書かれています。どれくらい働いたのかという内容なので、自分が実際働いた日数や時間とズレがないか確認しましょう。

では勤怠について、詳しく見てみましょう。

・就業日数
会社から定められた該当月の就業日数

・出勤日数
該当月の出勤日数。週休2日制の場合、ひと月あたり20〜22日前後になる。

・労働時間
該当月に労働をした時間
法で決まっている労働時間は「1日8時間・週40時間」

・欠勤日数
該当月に欠勤した日数

・休日出勤日数
法定休日(毎週少なくとも1回の休日)における出勤日数

・有給消化日数
有給休暇を取得した日数

・平日普通残業
雇用契約における労働時間を超える時間外労働(残業時間)

・平日深夜残業
22時〜翌朝5時までの間の労働時間

・休日労働時間 
法定休日(毎週少なくとも1回の休日)における時間外労働(残業時間)

・遅刻早退時間
該当月の遅刻や早退をした時間
※遅刻・早退の定義は会社によって異なる

・有給残日数
該当月の締め日における有給休暇の残日数

・時間外労働
残業時間。勤務時間外や休日出勤など。

りょうこ
りょうこ
法定休日っていうのは、労働基準法で定められている、雇用者が労働者に対して毎週少なくとも1回は与えないといけない休日のことよ。

支給

支給には、各種手当を含めた勤務先から支払われる金額が書かれています。勤怠をもとに計算された給与(基本給+各種手当)についての内容なので、自分の勤怠と会社からの手当に関するルールを理解した上で確認しましょう。

では支給について、詳しく見てみましょう。

・基本給
会社から支払われる給与のベースになる金額
※通勤手当や残業手当、その他特別報酬などを含まない

・役職手当
役職に応じて支給額が変動する手当

・資格手当
従業員が資格を取得しようとした場合や、取得した場合に支払われる手当。
※資格手当があるかどうかは会社によって異なる

・住宅手当
会社が従業員の家賃やローンを一部負担する手当
※住宅手当があるかどうかは会社によって異なる

・家族手当
会社が配偶者や子供がいる従業員を対象に一定額支給する手当
※支給額は会社によって異なる

・通勤手当
通勤するための交通費に対する手当

・時間外手当(残業手当)
雇用契約で定められた勤務時間以外の時間外労働(残業時間)があったときの手当
▼計算方法▼
1時間あたりの賃金✖️残業時間✖️割増賃金25%(1.25)
例:1時間あたりの賃金が1500円、2時間残業した場合
1500円✖️2✖️1.25=3750円

・休日手当
法定休日(毎週少なくとも1回の休日)に勤務したときの手当
▼計算方法▼
1時間あたりの賃金✖️勤務時間✖️割増賃金35%(1.35)

・深夜手当
22時から翌朝5時までの間に勤務したときの手当
▼計算方法▼
1時間あたりの賃金✖️勤務時間✖️割増賃金50%(時間外1.25+深夜0.25)

りょうこ
りょうこ
「時間外手当(残業手当)」「休日手当」「深夜手当」の割増率は労働基準法で決まっているの。

控除

控除には、給与から差し引かれる金額が書かれています。支給額からどんなお金がいくら差し引かれるのかという内容なので、差し引かれるお金の仕組みや金額を理解した上で確認しましょう。

では控除について、詳しく見てみましょう。

ちなみに給与明細にある社会保険料ていうのは「健康保険料」「厚生年金保険料」「雇用保険料」、税金は「所得税」「住民税」のことを指しているよ。

・健康保険料
病気や怪我で医療機関にいった時に、医療費の負担を軽くするための保険料。病気や怪我で休業した時や出産した時に給付金が支給される仕組みもある。
保障内容:医療費3割負担、高額療養費制度、扶養制度、出産育児一時金、傷病手当金
▼計算方法▼
(東京都の協会けんぽ・令和5年度の場合)
標準報酬月額✖️11.82%を会社と半分にする
※健康保険ごとに異なる

りょうこ
りょうこ
標準報酬月額っていうのは、その年の4〜6月の給与(基本給+各種手当)の平均額を1〜50の等級(厚生年金は1〜32)に分けて表したもの。

例えば、標準報酬月額が30万円(協会けんぽ・東京都)の場合、健康保険の等級22(厚生年金は19)にある保険料を会社と半分にして支払うことになるの。協会けんぽの標準報酬月額についてはこちら

決まった標準報酬月額は、原則としてその年の9月から翌年8月まで適用になるんだって!

・厚生年金保険料
老齢基礎年金や老齢厚生年金のもとになる保険料
保障内容:老齢年金、障がい年金、遺族年金
▼計算方法▼
標準報酬月額✖️18.3%を会社と半分にする(一律)

・雇用保険料
病気や出産で休業時や失業時に給付を受け取るために支払う保険料
保障内容:失業保険、再就職手当、育児休業給付金
▼計算方法▼
給与総額(基本給+手当)✖️0.9%(労働者負担0.3%・事業主負担0.6%)

失業保険が適用されるのは「雇用保険の加入期間が過去2年間で通算12ヶ月以上あること」っていう条件つきだよ!

・介護保険
40〜64歳が支払う保険料。健康保険組合などを通して各自治体(都道府県・市区町村)に支払う。
保障内容:介護サービス費用負担
▼計算方法▼
(東京都の協会けんぽ・令和5年度の場合)
標準報酬月額✖️11.82%を会社と半分にする
※健康保険ごとに異なる

・所得税
その年の課税所得に応じて納める税金。給与から概算で引かれているため、年末調整で過不足分が調整される。
※課税所得:税金がかかる所得のこと(所得は収入から必要経費を引いたもの)
▼計算方法▼
課税所得✖️所得税率(5〜45%・7段階)

※所得税率について
所得税率引用:国税庁「所得税の税率」より
例:課税所得金額が3,000,000円の場合
3,000,000円✖️10%➖97,500円=202,500円

・住民税
去年確定した課税所得に応じて納める税金。会社員の場合、給与から差し引かれることで各自治体に支払っている。
▼計算方法▼
去年の課税所得✖️住民税率10%(一律)

りょうこ
りょうこ
控除の中でも社会保険料は特に高くて嫌になるわよね・・・。社会保険料を抑える方法について、3章「Q3.社会保険料を抑える方法はありますか?」で詳しく話しているからチェックしてみて。

給与明細について知っておくべき4点

要チェック

給与明細の項目について分かったところで、結局どこが大事なのかよく分かりませんよね。

私自身が過去にこれは先に知っておきたかった!という点も含めて、給与明細について知っておくべきことは、以下4点です。

  1. 勤怠の間違いに注意する
  2. 住民税は去年の課税所得に対しての金額になっている
  3. 所得税は年末調整までざっくりの金額になっている
  4. 通勤手当は非課税になる

それぞれ詳しく見てみましょう。

勤怠の間違いに注意する

勤怠の内容に間違いがないか確認しましょう。毎月もらう給与は、勤怠にある勤務状況をもとに決まります。

出勤日数や労働時間、時間外労働など実際の勤務状況とズレがないか確認してください。

住民税は去年の課税所得に対しての金額になっている

住民税は去年の課税所得に対しての金額になっています。そのため今年の所得をもとに計算すると金額がズレます。※課税所得:税金がかかる所得のこと(所得は収入から必要経費を引いたもの)

また会社を退職した場合は、去年の課税所得をもとに計算された住民税が遅れて請求されるので注意が必要です。

引き続き会社勤めをする場合は、特別徴収で給与から住民税が自動的に引かれます。新たな職に就かない・個人事業主として働く場合は、普通徴収で一括または4回(6月・8月・10月・翌年1月)に分けて自分で自治体に納める必要があります。

りょうこ
りょうこ
昔会社を辞めて新しい職場を決めていなかったとき、住民税の請求が遅れてくることを知らずに慌てて支払った記憶があるわ。

所得税は年末調整までざっくりの金額になっている

給与明細にある所得税は、年末調整までざっくりの金額になっています。その年1〜12月の年収は大体これくらいだから、その年収に対してこれくらいの所得税がかかるだろうという感じでざっくりの金額で計算されて、先に給与から引かれています。

そのため、所得税は年末調整で正しい金額に調整されて、引かれすぎていた場合は返ってくることがあります。

通勤手当は非課税になる

通勤手当は非課税になります。所得税は支給額に対して計算されますが、通勤手当は支給に含まれるものの非課税なので、支給額から通勤手当を引いた金額に対して所得税がかかることになります。

りょうこ
りょうこ
給与明細にある通勤手当の部分をよーく見て!非課税って書いてあるから!

給与明細についてよくあるQ&A

Q&A

給与明細の見方や確認すべき点が分かったところで、まだ給与明細に関する疑問はあるはず。そこでよくある給与明細についての質問を4つ取り上げました。

  • 給与と給料の違いはなんですか?
  • 給与の「締め日」と「支給日」とはなんですか?
  • 社会保険料を抑える方法はありますか?
  • 給与明細はどれくらいの期間保管しておけば良いですか?

意外と知らなかった!という内容もあると思うので、ぜひチェックしてみてください。では、それぞれ見てみましょう。

Q1.給与と給料の違いはなんですか?

・給与
給料と各種手当を足したお金

・給料
給与から各種手当を引いたお金(=基本給)

給料は給与の一部!!!!!

Q2.給与の「締め日」と「支給日」とはなんですか?

・締め日
給与計算するために設定した期間の最終日のこと

・支給日
締め日をもって計算された給与が支払われる日のこと

締め日も支給日も決まりはなく、会社によって異なります。

Q3.社会保険料を抑える方法はありますか?

社会保険料を抑える方法としては、4〜6月の時間外手当(残業手当)を少なくすることです。なぜなら社会保険料は毎年見直されており、その年4〜6月の給与(基本給+各種手当)の平均額をもとに計算されるからです。

そのため4〜6月の給与に含まれる時間外手当(残業手当)を少なくすることで、社会保険料を抑えることができます。

Q4.給与明細はどれくらいの期間保管しておけば良いですか?

給与明細の保管期間に決まりは特にないですが、少なくとも過去2年分は保管しておくのが良いです。労働基準法で未払い賃金の請求権の時効が2年と定められているからです。

万が一、未払いの給与があったときや年金の支給ミスがあったときに、給与明細を証拠に使うことができます。

確定申告するときは5年さかのぼることができるから、過去5年分保管しておくのが良いんだってさ!

まとめ

給与明細の見方は3つの項目がポイント

・勤怠
・支給
・控除

給与明細で知っておくべき4点

・勤怠の間違いに注意する
・住民税は去年の課税所得に対しての金額になっている
・所得税は年末調整までざっくりの金額になっている
・通勤手当は非課税になる

給与明細についてよくあるQ&A

Q.給与と給料の違いはなんですか?
A.給与「給料と各種手当を足したお金」、給料「給与から各種手当を引いたお金(=基本給)」

Q.給与の「締め日」と「支給日」とはなんですか?
A.締め日「給与計算するために設定した期間の最終日のこと」、支給日「締め日をもって計算された給与が支払われる日のこと」

Q.社会保険料を抑える方法はありますか?
A.4〜6月の時間外手当(残業手当)を少なくすること。

社会保険料は毎年見直されており、4〜6月の給与の平均額が計算のもとになるから(給与に時間外手当が含まれている)

Q.給与明細はどれくらいの期間保管しておけば良いですか?
A.少なくとも過去2年分は保管しておくのが良い。

労働基準法で未払い賃金の請求権の時効が2年と定められているから。年金の支給ミスがあったときにも、給与明細を証拠に使うことができる。