投資初心者にオススメの「つみたてNISA」。
NISA講座を開設したのはいいものの、どの商品を選べばいいのか、と迷ってしまう人は多いのではないかしら。
つみたてNISAで購入可能な商品数は約150種類。この中から良いファンドを選ぶのは、投資初心者にとってハードルが高いわよね。
上記の記事にて、りょうこ的オススメの投資先は、インデックスで運用されている「米国株」と「世界株」とお伝えしたのね。
でも1口に「世界株インデックス」と言っても、10以上あるの。
そこで今回は、その中でも人気の「eMAXISSLIM」「楽天」「SBI」
※クリックするとそれぞれの「投資信託説明書(交付目論見書)」に飛びます。
Contents
それぞれの違いって何?
それはね、以下のような違いがあるのよ。
- ベンチマーク(指標)が違う
- 運用内容(投資対象ファンド)が違う
ベンチマーク(指標)が違う
3つのファンドのベンチマークは以下よ。
全世界株 インデックス | ベンチマーク |
---|---|
eMAXISSLIM | MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス |
楽天 | FTSE グローバル・オールキャップ・インデックス |
SBI | FTSE グローバル・オールキャップ・インデックス |
ベンチマークとは
投資信託などが運用の指標としている基準のことです。多くの場合、投資信託が投資対象とする商品や市場の各種指数が用いられます。例えば、日本株式に投資する投資信託であれば、TOPIXや日経平均株価などの指数がこれに当たります。
出典:SMBC日興証券 初めてでもわかりやすい用語集
それはそうよね。それぞれ説明していくわね。
MSCI
MSCIはアメリカ・ニューヨークに本拠を置く、金融サービス企業のこと。株価指数の算出など、幅広いサービスを提供しているの。
MSCIは世界の様々な株価指数を算出。その指数は投資の世界ではよく利用されているのよ。
「全世界株式の指数」として一般的に利用されているものが、
「MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(MSCI ACWI)」
MSCIが算出している株価指数のうちの1つがACWIなの。
構成されている国や銘柄は以下の通りよ。
カバー率は、投資対象国の時価総額の85%以上。大型株・中型株がメインね。
構成国 | 49ヶ国(先進国:23/新興国:26) |
---|---|
構成銘柄数 | 約2700 |
カバー率 | 85% |
URL | https://www.msci.com/acwi |
FTSE
FTSEはイギリス・ロンドンに本拠を置く、金融サービス企業のこと。株価指数の算出、管理などのサービスを提供しているの。
先ほどのMSCIの算出した指数は、多くの投資信託がベンチマークとして利用しているわ。
ただ、低コストインデックスファンドで絶大な人気を誇る「バンガード社」の投資信託・ETFは、FTSEの算出した株価指数をベンチマークとしているの。
バンガード社とは
- 世界最大級の運用会社
バンガードの運用資産残高は約615兆円。(約5.7兆米ドル、1米ドル108.28円換算。2019年7月末現在)- ローコストリーダー
バンガードのファンドの平均経費率(平均純資産に対する運用その他の経費率)は、2018年12月末時点 で0.10%(加重平均)となっています。- インデックス・ファンドの世界シェア NO.1
バンガードは1976年に、個人投資家向けのインデックス・ファンドを、世界で初めて米国の個人投資家 向けに設定しました。現在、バンガードは、世界のインデックス運用商品の約4割のシェアを握り、シェア NO.1となっています。※
※(出所)モーニングスター、2018年12月末現在
出典:楽天・全世界株式インデックス・ファンド目論見書
つみたてNISAで投資可能な、FTSEの算出した指数をベンチマーク(指標)としているのが
- 楽天・全世界株式インデックス・ファンド
- SBI・全世界株式インデックス・ファンド
だったわよね。
上記2つとも「FTSE グローバル・オールキャップ・インデックス(FTSE GACI)」をベンチマークとしているの。
構成されている国や銘柄は以下の通りよ。
大型株・中型株・小型株のすべてを含んでいるため、投資対象国の時価総額の98%をカバーしているの。
構成国 | 48ヶ国 |
---|---|
構成銘柄 | 約8,000 |
カバー率 | 98% |
URL | https://www.ftserussell.com/ja |
ACWI(MSCI)とGACI(FTSE)の違い
2つの大きな違いは構成銘柄とカバー率。
ACWI(MSCI) | GACI(FTSE) | |
構成銘柄 | 約2,800 | 約8,000 |
カバー率 | 85% | 98% |
GACI(FTSE)の方が圧倒的に構成銘柄数が多く、カバー率も高いの。
それはね、ACWI(MSCI)の投資対象が、大型株・中型株に対して
GACI(FTSE)は、大型株・中型株・小型株まで投資対象となっているからなの。
どちらが良いとは言えないけれど、本当の意味での「世界株」というならば、GACI(FTSE)の方と言えるわね。
あと、現代ポートフォリオ理論に基づくならば「分散されたポートフォリオの方がより少ないリスクで同じリターンを得ることができる」とされていることを考えると、カバー率の高い方が魅力的かなと。
運用内容(投資対象ファンド)が違う
「eMAXISSLIM」「楽天」「SBI」ではベンチマーク(指標)が違う、という事はお分かり頂けたわよね。
勘のいいあなたなら、きっとこう疑問に思っているはず。
と。「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」も「SBI・全世界株式インデックス・ファンド」もベンチマークは「FTSE グローバル・オールキャップ・インデックス」だったわよね。
「楽天」と「SBI」では運用内容(投資対象ファンド)が違うの。
それぞれのファンドの仕組みを見てみると。
「楽天」の投資対象ファンドが
- バンガード・トータル・ワールド・ストックETF
の1本に対し、、
「SBI」では対象ファンドが
- シュワブ U.S. ブロード マーケット ETF
- SPDR ポートフォリオ・ディベロップド・ワールド(除く米国)ETF
- SPDR ポートフォリオ・エマージングマーケッツ ETF
3本になっているの。
それぞれの投資対象ファンドについてもう少し詳しく見ていくわね。
上記の内容をまとめてみると…
楽天・全世界株式 インデックス・ファンド | 投資対象ファンド バンガード・トータル・ワールド・ストックETF →ベンチマーク:FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス |
---|---|
SBI・全世界株式 インデックス・ファンド | 投資対象ファンド ①シュワブ U.S. ブロード マーケット ETF →ベンチマーク:ダウジョーンズ U.S.ブロード・ストック・マーケット・インデックス(米国株市場全体の動き)②SPDR ポートフォリオ・ディベロップド・ワールド(除く米国)ETF →ベンチマーク:S&Pディベロップド(除く米国)・ブロード・マーケット・インデックス(米国を除く先進国株式市場全体の動き)③ SPDR ポートフォリオ・エマージングマーケッツ ETF →ベンチマーク:S&Pエマージング・ブロード・マーケット・インデックス(新興国株式市場全体の動き) |
そうなの。ゴール(ベンチマークであるFTSEグローバル・オールキャップ・インデックス)は一緒でも、そのゴールを目指す手段が違うの。
「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」は1つのETFで運用。しかも投資対象ETFのベンチマークも「FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス」なのに対して、
「SBI・全世界株式インデックス・ファンド」では3つのETF(ベンチマークはそれぞれ違う)を組み合わせて1つのベンチマーク(FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス)への追従を目指すスタイルなの。
インデックス投資家の中で人気なのは「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」の方ね。なぜなら、1本のETF(バンガード社運用)で先進国から新興国までの大型株から小型株までの投資が可能というお手軽さがあるから。
世界最大級の運用会社、バンガードの資金力(世界約8,000もの銘柄数を買える資金力)も魅力的。
結局どれを選んだらいいのか
私のオススメを伝えるその前に、以前のブログでインデックスを選ぶ際のポイントをお伝えしたでしょ。
- 純資産額が大きいかどうか
- 手数料(管理費用)が低いかどうか
まず「eMAXISSLIM」「楽天」「SBI」それぞれの純資産額と手数料を比べてみるわね。
世界株インデックス | 純資産額 | 手数料 |
eMAXISSLIM | 138.47億円 | 0.1144% |
楽天 | 347.11億円 | 0.222% |
SBI | 51.92億円 | 0.1102% |
※2020年1月現在
投資対象国の時価総額の98%をカバーしている「FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス」をベンチマークとしていること、そして、投資対象ファンドがバンガード1本であることを鑑みると、
私だったら「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」を選ぶわ。
手数料は若干他より高いけどね。だって、このファンドを買えば他の海外ETFを買う必要がないでしょ。
まとめ
最終的にどれを選ぶかはあなた次第よ。
- ACWI(MSCI)とGACI(FTSE)の違い
カバー率85%かカバー率98%か - GACI(FTSE)をベンチマークとする「楽天」と「SBI」の違い
「楽天」はバンガード社のETF1本で運用
「SBI」は3本のETFで運用 - 手数料が安ければ良いわけではない
- どれを選ぶかはあなた次第