最近よく耳にするようになった、SDGsやESG投資。
だけど、どんな意味なのか分からない。
確かに、一見とっつきにくいSDGsやESGですが、これからの時代、投資をするに当たって重要になってくるキーワードでもあるの。
なぜなら、ESGが企業を評価する指標になりつつあるから。
既に投資を始めている投資家も、これから投資を始める人も、知っておくべき内容だと思うわ。
ぜひこの記事を読んで、SDGsやESG投資について理解を深めてくださいね。
Contents
SDGsは目標、ESGは手段
まず、2つの違いを申し上げると、SDGsを実現するために貢献するのがESGとなるわ。
SDGsは目標、ESGは手段
ではSDGsとは何なのか、ESGとは何なのかをみていきましょう♪
SDGsは世界全体の目標
SDGsは日本語で「持続可能な開発目標」と訳され、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標のことを言うの。
Sustainable(持続可能な)
Development(開発)
Goals(目標)
2015年の9月に国連サミットで採択されたので、15年と言う比較的長い年月をかけた目標。と言うことができるわ。
SDGsの目的は3つ!
- 貧困のない世界
- 地球保護
- 平和と豊さ
この3つの目的を達成するために、17の目標が設定されているの。
その17の目標がこちら。
もう少し具体的にみていくと、こんな感じ。
目標1 [貧困]
あらゆる場所あらゆる形態の貧困を終わらせる
目標2 [飢餓]
飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養の改善を実現し、
持続可能な農業を促進する
目標3 [保健]
あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する
目標4 [教育]
すべての人に包摂的かつ公正な質の高い教育を確保し、生涯学習の機会を促進する
目標5 [ジェンダー]
ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児のエンパワーメントを行う
目標6 [水・衛生]
すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する
目標7 [エネルギー]
すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的なエネルギーへの
アクセスを確保する
目標8 [経済成長と雇用]
包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての
人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある
人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する
目標9 [インフラ、産業化、イノベーション]
強靭(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進
及びイノベーションの推進を図る
目標10 [不平等]
国内及び各国家間の不平等を是正する
目標11 [持続可能な都市]
包摂的で安全かつ強靭(レジリエント)で
持続可能な都市及び人間居住を実現する
目標12 [持続可能な消費と生産]
持続可能な消費生産形態を確保する
目標13 [気候変動]
気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる
目標14 [海洋資源]
持続可能な開発のために、海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する
目標15 [陸上資源]
陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠
化への対処ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する
目標16 [平和]
持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責 MDGs 任のある包摂的な制度を構築する
目標17 [実施手段]
持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを
活性化する
SDGsの最終的な目標は、
誰一人取り残さない
持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現を目指す
とされているの。
この目標を実現するために、各国は社会・経済・環境への取り組みが必要となってくる。そして国連が取りまとめをしているんだけど、国連は各国に対して目標への取り組み・進捗状況・達成度合いの提出を求めているのよ。
大きな目標を達成するために、政府や自治体だけでなく、企業も取り組む必要性が出てくる。
例えば、2018年に「ジャパンSDGsアワード」にて特別賞「SDGsパートナーシップ賞」を受賞した株式会社ヤクルトでは、SDGsとの関わりをこう記載しているわ。
味の素株式会社の場合はこう↓
このように、日本でも多くの企業が積極的にSDGsに取り組んでいるの。
「持続可能性」は企業の持続的な成長にも必要な要素だからね。例えば利益ばかりを優先した経営では、環境に負荷がかったり、劣悪な労働環境になってしまうといった悪影響が生じ、持続可能性を確保しにくくなる可能性がある。そしてそのような企業は消費者からも選ばれない時代になっている。
様々な企業の取組事例は外務省のHPでチェックすることができるので、企業の取組努力を見てみてくださいね♪
ESGはSDGsより先に生み出された?
実は、「ESG」と言う言葉が生まれたのは「SDGs」より先の2006年。当時の国連事務総長だったコフィ・アナン氏が、機関投資家に対しESGを投資プロセスに組み入れる「責任投資原則」(PRI)を提唱したことがきっかけとなっているの。
ESGとは
Environment(環境)
Social(社会)
Governance(企業統治)
の頭文字を取った言葉で、ESGの評価が高い企業は社会的な意義や、持続的な成長性を持った優れた企業と言えるわ。
企業はこの「ESG」に配慮した行動を取ることで、「SDGs」の目標に貢献することができる。
ESGをそれぞれ具体的にみていくと、
Environment(環境)
環境に配慮しているか。環境汚染をしていないか、再生可能エネルギーを使っているかなど。
Social(社会)
社会に貢献しているか。地域活動への貢献、女性活躍の推進など。
Governance(企業統治)
積極的な情報開示、不祥事を防ぐ経営など。
その当時、世界的な社会問題や環境問題への関心や取組は強まっていたけれど、なんせ財政面で解決するのが難しかった。
「ESG」の観点で投資を行う人が増えれば、社会・環境面で良い結果を出している企業は成長し、悪影響を与えている企業には資金が集まらなくなる、と国連は考えたの。
ESG投資は今後主流になる?
なのでESG投資とは、先ほどお話しした、
Environment(環境)
Social(社会)
Governance(企業統治)
に配慮した企業に投資をする投資手法のことを意味するの。
これまで、企業の価値を測る手段として、キャッシュフローや利益率などの財務面が主に使われてきたけれど、ESGに配慮しているかどうかが投資判断材料の1つとして重要になりつつある。
世界的にみてもESG投資は広がりを見せつつあるの。資金規模は約30・7兆ドル(約3200兆円)となっており、投資全体の3分の1になっているの。
出典:財務省広報誌『ファイナンス 令和2年1月号 コラム経済トレンド67 ESG投資の動向と課題』
主に欧州や米国が占めているけれど、日本でもその伸び率は高く、今後も伸びていくと考えられているわ。実際に、2020年ESG専門の投資信託が設定され、国内で計8本が新た
に売り出され、7200億円以上の資金が流入したのよ。
すごくいい着眼点よ^^
そう言う人が増えたかどうかは分からないけれど、利益をだすことの手段としてESG投資を利用していると言ったほうがいいかしらね。
なぜなら、ESGに考慮した企業に投資をした方が儲かるようになってきたから。
例えば、アメリカのブラックロック社が2019年に発表した調査結果によると、2012年〜2018年までの投資リターンにおいてESGファンドが従来のファンドを上回る結果を出したと伝えたの。
消費者が持続可能な世界に考慮している企業を選ぶようになった、とも言えるわね。
そうね。そして私たち個人も、ESG投資を通じて社会に貢献することができる。それはESG投資をするメリットと言えるわ。
ただ、ESG投資にはデメリットもある。
ESG投資のデメリット
- 短期投資には向いていない
- 選定が難しい
- 必ず利益が出るとは限らない
ESGへの取組は、長期的なものがほとんどなので、短期で利益を出したいと言う方には不向きな投資先と言えるわ。
そしてESGに関しては財務諸表のように分かりやす数字で表せられるものではない。数値化されていない各企業の取り組みを調べ、その取り組みが将来利益を生み出せるのか見極めなければいけない。選定が難しいと言えるわ。
ただ、先ほどお伝えしたように、ESG関連の投資信託も増えつつあるので、プロが選んだESG関連銘柄に投資をするのもひとつの手段よ。
そして最後に、ESGと言えども投資は投資。必ず利益が出るとは言い切れないわ。ESGへの取組は、長期的に見れば企業の成長や企業価値の向上に繋がる。しかし業績の改善に直結するわけではない。積極的にESGに取り組んでいても、業績が悪ければ株価は下がってしまう。
ESG投資も他の投資同様、損をする可能性があることは知っておくようにしましょう。
ESG投資をするには
個人がESG投資をするには3つの方法があるわ。
- 株式投資
- 投資信託
- ETF
株式投資では、上場企業の中からESGに積極的に取り組む企業を見つけ、投資をする方法があるわ。ただ、選定が難しいと言うことは先ほどのデメリットでもお話しした通りよ。
選定はできないけどESG投資をしてみたい、と言うのであれば、ESG関連の投資信託を購入する方法がベスト。
ESG関する指標をベンチマークとする投資信託を購入したら、ESG関連銘柄に分散投資することが可能よ。
ESGに関する主な指標は以下の通りよ。
投資信託と同じように、ESG関連のETF(上場投資信託)を通じて、ESG投資を始めることも可能よ。
まとめ
近年注目されつつあるSDGsやESG投資について解説してみましたが、いかがでしたか?
普段購入している商品や、利用している企業をSDGsやESGの観点からみてみるのも面白いわよ♪
ESG投資は私たち個人も社会貢献ができる魅力的な投資先。しかし立派な「投資」であることはお忘れなく。