インフレーションとデフレーション
略してインフレ・デフレと呼ばれたりするこの用語。
分かるようで、イマイチピンと来ていない方も多いのではないかしら。
資産運用を勧める理由の1つとして、インフレで将来お金の価値が下がるから。と私もよく言っているのだけれど、なぜインフレだとお金の価値が下がるのか、それがなぜ資産運用をしなければいけない理由になるのか。
インフレ・デフレは私たちの生活にどう影響しているのか、詳しく解説していくわね。
Contents
インフレはモノの値段が上がり、デフレは下がる
そもそも、インフレ・デフレとはなんなのか、簡単に説明すると
インフレ:物価が継続的に上昇していくこと(お金の価値が下がる)
デフレ;物価が継続的に下落していくこと(お金の価値が上がる)
たとえば、
バナナの値段が1本100円だったけれど、翌日には150円になっていた。という場合、バナナの値段が上がっているでしょ。この様に、物価(物の値段やサービス)が継続的に上がる状況をインフレと言うの。バナナそのものの価値が上がってしまい、100円で買えたものが150円出さないと買えなくなってしまった。と言うことは、物の価値は上がり、お金の価値は下がってしまったと言うことね。
バナナの値段が1本100円だったけれど、翌日には50円になっていた。という場合、バナナの値段が前日の半分になっているわね。この様に、物価(物の値段やサービス)が継続的に下がる状況をデフレと言うの。バナナそのものの価値が下がり、100円出すとバナナが2本買えるようになったわね。と言うことは、物の価値は下がり、お金の価値は上がったと言うことになるわ。
モノの値段が下がるのは良くないこと?
確かに、デパコスのファンデーションが1万円から5,000円になったらかなり嬉しいわ!
最近購入したエレガンスのフェイスパウダー。コンパクトは既に持っているのに(写真奥)、30周年限定スワロフスキーコンパクトに一目惚れし購入(写真手前)。限定モノってずるいわよね。(TT)
もしエレガンスのフェイスパウダーが通常より半額の5,000円になっていたら、きっとすぐ行列ができるわね。私たち消費者にとって値下げは嬉しいこと。
でもね、
モノの値段が下がるということは、そのモノを売っている企業は困るわけなの。だって、売り上げや利益が減ってしまうことになるでしょ。そうなると企業の業績は悪化してしまう。
企業の業績が悪化するということは、そこで働く従業員の給料やボーナスが減ってしまったり、企業が倒産して職を失う可能性もある。
モノの価値が下がり続けるデフレは、経済全体で見るとよろしくないことなのよね。
バブル崩壊後、日本は長らくデフレの状態が続いていたの。これを「失われた20年」とも言ったりするわね。
この時、どんなことが起きていたかと言うとデフレスパイラルの状態にあったと言えるのよ。
なんだか強そう…デフレスパイラルとは
デフレスパイラルとは、物価の下落と、利益減少が繰り返される「負の連鎖」の事を言うの。
- 商品の値段が下がる
- 企業の売上・利益が減少する
- 企業の業績悪化により、従業員の給料が減る(もしくは増えない)
- 給料が減った(増えない)から、お金を使いたくない
- 商品が売れないから、また値下げる
この悪循環がデフレスパイラルなの。
デフレは、経済や社会に元気がない状態と言えるわ。
デフレからの脱却
日本ではこの状態が長らく続いたの。そこで2012年、再度総理大臣となった安倍さんが
と宣言。日銀(日本銀行)と協力して2013年インフレ政策を開始し、当時日銀総裁(日銀のトップ)である黒田氏は
と発表したのよね。インフレターゲットとは、インフレ目標という意味よ。1年間で2%の物価上昇を目指すと発表したの。
たとえば、今年100円のバナナが来年102円になっている事を目指す感じね。
物価上昇を目指し、景気循環を良くすることを目標とした政策が行われているの。
さて、思い出して欲しいのは、インフレが起きるとお金の価値はどうなるかしら?
そう正解!お金の価値が下がるということは、貯金や預金をしているだけでは、そのお金の価値はどんどん下がっていくことになるの。
だから資産運用が必要
たとえば、現在価格100万円の車があって、その車が欲しいんだけど、今は必要ないから100万円貯金しておくとする。
5年後、その車を欲しいと思ったあなたは、車購入の資金として貯蓄していた100万円を引き出し車屋さんへ。しかしインフレが加速しており、5年後に全く同じ車が200万円になっていた。
結局車は?購入できないですよね。
5年間の間にモノの価値が上がって、お金の価値が下がっていたの。
因みに、
過去30年で日本の物価水準は2倍になっているのよ(下記表参照)。
項目 | 1985年 | 2015年 | 上昇率 |
タバコ(マイルドセブン) | 200円 | 430円 | 2.1倍 |
国立大学の年間授業料 | 252,000円 | 535,800円 | 2.1倍 |
郵便はがき | 30円 | 52円 | 1.7倍 |
銭湯入浴料 | 260円 | 460円 | 1.8倍 |
ランドセル | 22,000円 | 36,000円 | 1.6倍 |
※Money Motto!(2019年9月10日)参考
鋭いわね!正解よ。
そのまま銀行に預金しておくだけでは、お金の価値は下がる一方。だって、現在の銀行の定期預金の金利ってほとんどが0.01%でしょ。
たとえば、あなたが100万円を定期預金として預けるとする。現在の定期預金の金利は0.01%よね。この金利のことを名目金利と言うの。
で、インフレし物価が1%上昇したとする(インフレ1%はIMFが予想している数値)。インフレを加味した上でどれくらい預金が増えるのか計算することができるの。
計算した結果、預けていた100万円は1年後に99万100円の価値になっていることに。
だから、資産運用をしてお金を増やす努力をすることが必要なの。
たとえば、過去20年のリスクとリターンを表したのが下の表よ。
出典:マイインデックス
この表で見ると、日本国債でも3%以上のリターンがあるわね。
3%あれば、日銀が目標としているインフレ率2%が実際に起こっても怖くないわよね。
お金の価値が下がるのを黙ってみているのか、もしくはお金を増やす努力(資産運用)を始めるのか。あなたはどちらかしら?
まとめ
今回は、インフレとデフレについて解説し、インフレの時代だからこそ資産運用をする必要がある!とお伝えしたけれど、いかがでしたか?
もちろん、投資に絶対はないので、リターンを保証することは不可能よ。でも、お金の価値が下がり続けるのを何もせずにいると、いつまでたっても裕福にはなれないわ。
お金が全てではないけれど、お金は手段として色々な経験をさせてくれる。人生を豊にするためにも、ぜひ資産を増やして欲しいわ。