アメリカを代表する株価指数「ダウ平均」。ニュースでもよく耳にするのではないかしら。
でも実際に米国株投資に興味を持って調べ始めてみると、人気投資先に「S&P500」があることに気付きませんか?
「S&P500」もアメリカの代表的な株価指数のひとつ。
「ダウ平均」と「S&P500」何がどう違うのか、運用実績はどうなのか、それぞれの特徴について解説していくわね。
「ダウ平均」と「S&P500」それぞれの特徴
「米国経済を計る」という点では全く同じ両者。でも大きな違いがあるのよ。それぞれの特徴をまとめてみたわ。
ダウ平均(ダウ工業株30種) | S&P500 | |
算出開始年 | 1896年 | 1957年 |
構成銘柄数 | 30銘柄 | 500銘柄 |
指数の計算方法 | 株価平均型 (株価の高い銘柄の動きに大きく影響される) | 時価総額加重平均型 (時価総額の大きな銘柄の動きに大きく影響される) |
組入銘柄の選定方法 | 委員会の話し合いにより決定。 企業の評判、成長の持続性、投資家の関心などを総合的に評価して決定。 | 時価総額や流動性、浮動株の比率、業績、セクター(業種)のバランスを考慮し決定。 |
表を見てもらうと分かる通り、大きく違う点は、銘柄数と指数の計算方法ね。
ダウ平均はアメリカ経済を代表する30銘柄で構成されていて、S&P500はアメリカの大型株500銘柄で構成されているの。
その点、ダウ平均は株価の高い1つひとつの銘柄に大きく影響を受けてしまうの。
因みに、S&P500は米国上場企業の全時価総額の80%を占めているのよ。
だから、S&P500はよりアメリカ全体の株価の動きを把握するのに適していると言えるかもしれないわね。
それぞれの上位トップ10銘柄
「ダウ平均」と「S&P500」の上位構成銘柄にはどのような違いがあるのか、見てみましょう。
ダウ平均(ダウ工業株30種) | S&P500 | |
1 | アップル | アップル |
2 | ユナイテッドヘルス・グループ | マイクロソフト |
3 | ホーム・デポ | アマゾン・ドット・コム |
4 | ゴールドマン・サックス | フェイスブック |
5 | マイクロソフト | アルファベット |
6 | ビザ | ジョンソン&ジョンソン |
7 | ボーイング | ウォルマート・ストアズ |
8 | マクドナルド | ビザ |
9 | スリーエム | JPモルガン・チェース・アンド・カンパニー |
10 | ジョンソン&ジョンソン | マスターカード |
※2020年6月20日時点
若干違いはあるわ。S&P500は時価総額が大きい順に銘柄入りするので、勢いのあるアップルやマイクロソフトなどのIT系が上位を占めているわね。因みに5位のアルファベットとはGoogleのことよ。
パフォーマンスの違いは?
「ダウ平均」と「S&P500」の違いについては分かったけれど、
1番気になるのはパフォーマンス(運用実績)はどうなのか、ということよね。
現在からさかのぼって10年、20年、30年前を起点として、それぞれの伸び率を見てみましょう。比較にはInvesting.comさんを利用させていただきました!
過去20年、30年で比較すると「ダウ平均」が「S&P500」を上回っているけれど、直近過去10年でみると「S&P500」の方が上回っているわね。
ここ10年はGAFAM(Google・Amazon・Facebook・Apple・Microsoft)などのIT系が勢いを伸ばしているため、それらが組み入れられているS&P500は強いと言えるわね。
では次に、それぞれのリターンを見てみましょう(米ドルベース)。リターンが高い方にカラーマークを入れているわ。
年率平均 リターン(%) | 1年 | 3年 | 5年 | 10年 | 15年 | 20年 | 30年 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
ダウ平均 | +2.3 | +6.5 | +7.1 | +9.6 | +6.1 | +4.5 | +7.5 |
S&P500 | +6.5 | +5.1 | +5.8 | +9.9 | +5.9 | +3.4 | +7.1 |
※出典:myindex
年数によって変わるけれど、リターン比較では「ダウ平均」の方が良い傾向にあるわね(※過去の実績であり、将来もそうなるとは限りません)。
ダウよりS&P500の方が人気?!
人気の理由のひとつは、投資の神様と呼ばれるウォーレン・バフェット氏がオススメしているから。
Over the years,I’ve often been asked for investment advice,and in the process of answering I’ve learned a good deal about human behavior. My regular recommendation has been a low-cost S&P 500 index fund.(P24)
長年にわたり、私はしばしば投資のアドバイスを求められ、その回答を通して人の行動について学びました。 通常、私は低コストのS&P 500インデックスファンドを推奨しています。
投資の神様が推奨しているなら、人気がでる理由が分かるわよね。
もう1つ、S&P500がダウより人気の理由は、リスクの分散が可能だから。
ダウ平均の構成銘柄は30銘柄に比べ、S&P500の構成銘柄は500。S&P500の方がより幅広い銘柄に分散投資されているので、リスクが低くなると考えることができるの。
今回のコロナショックで2つの指標にどう影響がでたのか、比較をしてみたわ。
1つの銘柄に影響を受けにくい「S&P500」の方が暴落時には強いと言えそうね。
※リーマンショック時の下落率はダウよりS&P500の方が大きかったり、必ずしもそうとは言えません。
まとめ
今回は「ダウ平均」と「S&P500」の違いについてまとめてみたけれど、理解は深まったかしら。
個人的な意見としては、長期投資を考えているなら、どちらを選んでも良いというのが私の結論よ。どうしても迷ってしまうのなら、投資の神様も勧めるS&P500を選んでみるのはどうかしら。