2022年4月4日、市場の大規模な再編が行われます。
東京証券取引所(通称:東証)の5つの市場区分(市場第一部・市場第二部・マザーズ・ジャスダックスタンダード・ジャスダックグロース)が3つ(プライム・スタンダード・グロース)へと見直しされることに。

現在の東証一部に該当するのが「プライム市場」(最上位の位置付け)。2021年6月末時点では、現在東証一部に在籍する企業の3割が「プライム市場」の基準に該当しないとされているの。
以下が上場基準の変更前と後を表した図よ。変更箇所を赤字にしたけれど、株主数以外、上場基準は厳し目に設定されていることがわかるわ。

市場再編がどう変わるのかも気になりますが、投資をしている人ならこう思ったはず。
個人投資家への影響はあるのか⁉︎
自分の持っている銘柄はどうなるのか⁉︎と。
と言うことで、この記事では市場再編が個人投資家に与える影響や知っておくべきことをお伝えしていきます。

Contents
市場再編が投資家へ与える3つの影響
早速ですが、市場再編が投資家に与える影響をお伝えしていきます。
結論として、以下の3つが挙げられるわ。
- TOPIXからの除外により株価に影響が出る可能性がある
- 株主優待がなくなる可能性がある
- コーポレートガバナンスが改善され投資家にとってはプラスになる可能性がある
TOPIXからの除外により株価に影響が出る可能性がある
市場再編で個人投資家が1番気にするべきは「TOPIX」!
おおありなのよ。
TOPIXは東証一部に上場する全銘柄が対象なんだけど、今回の再編ではTOPIXの組入銘柄にも変更が生じるの。
悪いかどうかは別として、TOPIXから外れることで起こる懸念点は2つ。
- TOPIX連動型の投資信託に売られる可能性がある
- TOPIXを買い付け対象としていたファンドに買われなくなる可能性がある
2つとも言えることは1つ。
TOPIXの恩恵を受けて買われていた株が買われなくなってしまう可能性がある。と言うこと。それに伴い、対象の株価は下落してしまう可能性があるの。
ではどのような企業がTOPIXから除外されてしまうのか、株価にどのような影響をもたらすのか。そちらの解説は次の章でお伝えしていきます。
株主優待がなくなる可能性がある
個人投資家が知っておくべきこと2つ目は株主優待について。
今回の市場見直しでは上場基準が変わるんですが、その変更により株主優待がなくなったり、減ったりする企業が出てくると予想されるわ。
なぜなら、現在の市場第一部の上場基準のひとつ「株主数」に変更があるから。現在、東証第一部上場の条件は「株主数2,200人以上」となっていますが、この項目が見直おされプライム市場では「株主数800人以上」となるの。
これまでは株主数を増やすため、企業としては多くの投資家に株を売らなければいけなかった。買ってもらうために株主優待を導入する企業もあったのよ。そのような企業が優待を廃止する可能性がある。
コーポレートガバナンスの改善:投資家にとってはプラスに⁈
今回の見直しには、コーポレートガバナンス・コードの改訂も盛り込まれているの。
コーポレートガバナンスとは
企業が、株主をはじめとする様々な利害関係者の立場を踏まえたうえで、透明・公正かつ迅速・果断な意思決定を行うための仕組みを言います。
東証では、実効的なコーポレートガバナンスの実現に資する主要な原則を取りまとめを定めたものがあり、それを「コーポレートガバナンス・コード」と言います。
コーポレートガバナンス・コードは「基本原則」「原則」「補充原則」の3つに分かれており、市場によって満たしておかなければいけない項目(満たしていなければ説明義務あり)が違うんだけど、新市場の「プライム市場」では、今までより高水準なガバナンスが求められる。
画像出典:東京証券取引所 コーポレートガバナンス・コードの改訂に伴う実務対応
今回のコード改定では、3つの原則及び8つの補充原則が変更され、5つの補充原則が新設されたわ。
たとえば、以下のような内容よ。
- 新設:サステナビリティ(持続可能性)の取り組みを適切に開示すべき
- 新設:事業ポートフォリオの基本方針や見直しの状況について示すべき
- 変更:プライム市場上場会社は取締役会において独立社外取締役3分の1以上(必要な場合は過半 数)を選任すべき
ガバナンスの改善により、企業価値が向上する方向に向うと考えられるので、投資家にとってプラスとなる可能性があるのよ。
TOPIXの見直しが株価に与える影響
記事の冒頭、個人投資家が知っておくべき重要なこととして「TOPIX」からの除外を挙げさせていただきました。ここでは、TOPIXから除外される企業の基準と、除外が株価に与える影響について解説していくわね。
TOPIXからの除外基準
まず、TOPIXから除外される基準について。
上記該当の銘柄は、TOPIXから除外されることが明記されているわ。
そう、流通株式時価総額100億円以上はプライム市場の上場基準なの。
ちなみに、流通株式とは、市場に出回る株式のこと。

流通する株式の数が足りなければプライム市場、TOPIXから除外されることに。
ただし、すぐTOPIXから除外されるわけではありませんのでご安心を。
移行に際しては、指数利用者への影響・市場影響等を考慮し、2025年1月まで段階的に実施します。
出典:東京証券取引所 資料
下記画像にも明記されているように、既存のTOPIX銘柄に関しては一旦継続採用する。とのこと。
出典:東京証券取引所 資料
100億円未満の企業に関しては、一旦TOPIX構成銘柄として採用するけど、段階的にその比率を減らし、2025年までに除外する。と書いているわね。
「プライム市場=新TOPIX構成銘柄」ではない
ここで注意しておいて欲しいのが、「プライム市場=新TOPIXの構成銘柄」ではないということ。
実は、新TOPIXの構成銘柄の入替方法については、詳細が決まっていないの。2025年の移行完了後、どのような基準になるかはまだ未定ということ。なので、流通時価総額が100億円であっても、今後の入替方法によってはTOPIXから除外される可能性があるの。
ちなみに、プライム市場で構成される銘柄の指数(プライム市場指数)は別途新設される予定になっているわ。

TOPIX除外が株価に与える影響
TOPIXをターゲットとするインデックス運用の資金は50兆円を超える規模になっているの。
TOPIXから除外されるとなると、企業側からすると確かに痛いわよね。TOPIX銘柄ではない企業への投資を控える投資家もいるかもしれない。
ただ、先ほどもお伝えしたように、直ぐに除外されるのではなく段階的に行っていくので、大きなダメージを受けることは考えにくいとも言えるわ。
それと、大事なのは「企業の価値」だと私は思っているの。
その企業の成長性や経営体質、業績、ガバナンス改革への積極性など。「企業の価値」を見極めて投資をしていれば、仮にTOPIXから除外されたとしても、株価への影響は少ないと考えられるわ。
まとめ
今回は2022年4月に変更される市場再編が、個人投資家へ与える影響について解説しましたが、いかがでしたか?
私たち個人投資家が気にするべきことは「TOPIX」。そのTOPIXから除外されても本当の「価値のある企業」であれば株価への影響は少ない、というのが私の結論よ。
「価値ある企業」へ投資をするためにも、銘柄選びは大事になってくるし、そのためには勉強は必要と改めて思ったわ。